【ご質問】
昨年、父が亡くなりました。
父は自営業を営んでおりましたので、顧問の税理士さんがいます。
古いお付き合いということもあり、相続税の申告はその税理士さんにお願いすることにしました。
税理士さんから、相続税の申告に必要な書類の一覧表をいただきました。
その書類には、役所や銀行などの金融機関で入手する書類が書かれており、資料を集めるようにと言われました。
私は父の事業を引き継いでいますので、とても忙しいです。
私としては、書類の入手など面倒な手続きも税理士さんにお願いしたつもりです。
相続税の申告で、税理士さんがする仕事は相続税の計算だけなのでしょうか?
素人ながら、相続税がかかることは理解しています。
税理士さんの報酬は、世間相場であれば100万円単位になると思います。
必要な書類を入手するために私が動くばかりで、税理士さんの仕事が机上の相続税の計算だけであればどうも納得ができません。
【税理士長嶋の回答】
相続税の申告で税理士が行うことは、税理士によって異なります。
相続税の申告をお願いした税理士さんに、税理士報酬の中で何をどこまでしてくれるのか?ぜひ確認されることをお勧めします。
【必要書類の入手は委任状でほとんどが対応可能】
相続税の申告で必要な書類は、一部を除き相続人以外の人でも入手することができます。
この場合、相続人の委任状があるというのが前提となります。
ただ、相続人本人が申請したほうがスムースに入手することができる書類もあります。
そのため、相続人本人に必要書類の取得を指示する税理士さんも多いのではないでしょうか。
【相続税の申告で税理士が行うことは税理士により異なる】
相続税の申告で税理士が行うことは、税理士により異なります。
そのため、税理士報酬も税理士により異なります。
税理士さんに支払う報酬の中で、具体的に何をどこまでしてくれるのか?を事前に確認することが必要だと思います。
もし、税理士報酬の中で必要書類の取得まで行うのであれば、相続人自身が入手するということで報酬の減額の交渉もできると思います。
逆に、必要書類の取得が業務の中に含まれていない場合、その業務を含めてもらうように交渉することもできると思います。
【相続税に詳しい税理士は、相続税の試算を行うこともある】
相続税に詳しい税理士さんの場合、相続税の計算だけではなく、相続税の試算も行っていると思います。
相続税は、遺産相続により相続人のどなたがどの財産を相続するかで大きく増減することがあります。
また、お父様が亡くなられたとき、次のお母様の相続まで含めた相続税の総額が最も少なくなるように、お父様の相続をどのようにすれば良いのか?などのアドバイスを行うことがあります。
相続税に詳しい税理士さんかどうかは、このような「相続税の試算」を行っているかどうかも判断材料の一つになると思います。
【相続税申告Q&A参考ブログ】
・相続税申告、相続税がゼロでも税理士にお願いするべきですか?(2012.10.24)