【ご質問】
遺言により遺産を相続させる場合の税金について教えてください。
遺言書の作成を検討しています。
血のつながりのない第三者に遺産を相続させたいと考えています。
遺言で遺産を相続した場合は、贈与税がかかるのでしょうか?
それとも、相続税がかかるのでしょうか?
【税理士長嶋の回答】
遺言により相続財産を取得させる場合は、相続税がかかります。
ご質問の場合、遺言により財産を取得する第三者の方は、通常の方法で計算した相続税の2割増しとなりますのでご注意ください。
【遺言により相続財産を取得させる場合は相続税がかかる】
遺言により、自分の財産を他人に与えることを「遺贈」といいます。
相続税法では、遺贈により財産を取得した場合には、相続税が課税されることになっています。
相続税法において、次のように定められています。
(相続税の納税義務者)相続税法1条の3
相続又は遺贈(贈与をした者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。)により財産を取得した個人で、その財産を取得した時において日本に住所を有する者は、相続税を納める義務がある。
また、生前に「私が亡くなったらこの現金をAさんにあげます」というように、自分が死亡することを条件として他人に財産を贈与することを契約することがあります。
このことを「死因贈与」といいます。
死因贈与により財産を取得した場合でも、相続税が課税されることになっています。
【子供・父母・配偶者以外の人が財産を取得したときは相続税が2割増しになる】
相続又は遺贈により財産を取得した人が、子供・父母・配偶者以外の人であるときは、相続税が2割増しになりますので注意が必要です。
相続税法において、次のように定められています。
(相続税額の加算)相続税法18条
相続又は遺贈により財産を取得した者が、その相続又は遺贈に係る被相続人の一親等の血族(その被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失ったため、代襲して相続人となったその被相続人の直系卑属を含む。)及び配偶者以外の者である場合においては、その者に係る相続税額は、各相続人等の相続税額の規定により算出した金額にその100分の20に相当する金額を加算した金額とする。
つまり、財産を取得した人が親族である兄弟だったとしても、相続税は2割増しになります。