【ご質問】
昨年、母が亡くなりました。
相続財産としては、預貯金・自宅の家屋と土地・投資信託があり、相続税がかかるようです。
相続財産に土地があるのですが、土地の名義を母のままにしておけば相続税はかからないのでしょうか?
【税理士長嶋の回答】
土地の名義を相続人に変更しなかったとしても、相続税はかかります。
【土地の名義を変更しなくても相続税はかかる】
相続税は、相続が開始した日において被相続人が所有していたすべての財産・債務に対して課税されるものです。
そのため、土地を相続した相続人が土地の名義を相続人に変更するかどうかはまったく関係ないということになります。
【土地の名義変更をしていなくても日常生活にはまったく影響がない】
土地の名義を相続人に変更していなくても、日常生活にはまったく支障はありません。
固定資産税だけ遅れることなく支払っていれば、土地の名義を変更していなくても誰も困ることはありません。
固定資産税の納税通知書は、お母様名義のまま届くこともありますし、相続人代表名義で届くこともあります。
【相続人の名義に変更をしないことで困ること】
土地の名義を相続人の名義に変更しないことで困ることがあるのは、次の2つです。
(1)土地の売買をするとき
(2)土地を相続した相続人自身が亡くなったとき
(1)土地の売買をするとき
土地を売買するときは、土地を相続した相続人の名義に変更しておかないと売買をすることができません。
土地を相続してから近い時期に売買を予定されているのでしたら、早めに土地の名義を変更をしておいたほうが安心だと思います。
(2)土地を相続した相続人自身が亡くなったとき
お母様の相続で土地を相続することになったそうですが、このことを遺産分割協議書で証拠として残しておかないで「もしも」亡くなられた場合。
お母様名義の土地は未分割として取り扱われる可能性があり、そのときの相続人全員で再度分割協議を行う可能性がでてきます。
もしこのようなことになれば、相続人は子供や孫世代に広がっていくため、相続人の数が多くなってしまいます。
相続人の数が多くなれば話がまとまりにくくなるの可能性が高くなります。
そのため、後々のことを考えますと、遺産分割協議が整った時点で名義変更しておくほうが安心だと思います。